デジタルメディアにおける自己完結型エッセイ

「お米の問題」

1998年1月下旬執筆

私がよく掻き回している(笑)農水省掲示板に、先日ある小学生が非常に素直な疑問を書き込みました。

質問しても返答が無いことで有名な農水省掲示板のこと、今度もレス無しかと思いまして、子供の率直な疑問に答えるのは大人の義務だ大合唱を展開しましたところ、かなりの日数を要しましたが、なんと返答を得ることが出来ました。

以下はその転載です。公的なボード故、問題はないだろうと勝手に判断し、転載致します。

とは言え、熊本は農業県であります。特に農業に携わっておられる方々からの感想を拝見したいものです。



 遅くなりましたが、(氏名省略)さんからの質問(1998/01/09付け)に対する回答を担当より得ましたので、以下に掲載します。
なお、本回答は「Q&Aコーナー」にも掲載しました。

(質問)
外国から米を輸入することについて疑問を感じます。今、国内の米が余っているのに外国米を輸入することが腑に落ちません。もし、外国とのおつきあいのためというのなら、なぜ米を選んだのですか?他にも余っていないものはいっぱいあります。米の分だけ他にまわすことは出来ないことなんでしょうか。
それに、日本は自給率が他の国に比べてとても低いことを知りました。外国から輸入をするとその分だけ米があまってしまいます。ですから政府は減反という手段をとっています。減反をすると日本の自給率が低くなってしまいます。日本の自給率を減らしてまで輸入をする価値はあるのでしょうか。
自給率が減ると地球の全体の天候が悪くなった場合や国同士の争いが起きたときに日本は輸入が出来ないがためにものがわずかしかなく、飢えに苦しむことになるでしょう。そのときに飢えに苦しむのは政府だけではなく国民全体に被害が及ぶのです。いくら国民が選んだ政府とはいえ、このやり方には賛成しかねます。
このやり方は見直すべきだと思います。

(回答)
1 日本のお米については, 生産力が大変高いため, 生産調整(減反)を行わなければ、日本人の消費量を大きく上回る量のお米が生産されてしまい、お米の価格が大幅に下がり、農家の経営は大きなダメージを受けることになります。
また、経営が苦しくなれば, お米の生産を止めなければならない農家も出てきて、逆に、十分なお米が作られないことにもなります。このように, 国産米の作りすぎを防ぎ、農家が安心して米作りをできるようにするとともに、皆さんが、国産米をこれからも食べ続けていけるよう、農林水産省では、生産調整の必要性を呼びかけ, 施策として進めているわけです。

 この生産調整の目標面積については、外国から輸入される米(これを「ミニマム・アクセス米」といいます。)の輸入量を一切考慮せず、日本人の需要に見合う量の国産米が生産されるよう決定しております。したがって、ミニマム・アクセス米の輸入量が生産調整の目標面積に上乗せされているわけではありません。(ミニマム・アクセス米については、国産米で対応することが難しい加工用米などに供給することとしており、国産米に影響を与えないよう処理しています。)

 さらに、生産調整は、水田を有効に利用するため、米を生産するかわりに、自給率が低い小麦、大豆、飼料作物などを生産する形で実施しています。

2 また、平成5年、日本は作況指数74という大凶作に見舞われ、国産米による安定供給ができなくなり、外国から大量の米を緊急に輸入せざるを得ませんでした。このような事態に対する反省から、平成7年度から一定量(150万トン±50万トン)のお米の備蓄を制度化したところです。

3 このように、政府は国民が必要とするお米がいつ、いかなるときでも安定的に供給できるようお米の生産調整(減反)及び備蓄を適切に組み合わせて運営することとしています。
            (担当:食糧庁企画課、農産園芸局企画課)


(ParaTの感想)
国家百年の計というものが今の行政ならびに政治家には無いようです。

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