熊日夕刊「ヤング欄」における自己完結型エッセイ

アメーバ捜査網・第9回「熊本のパワー復活を」

1998年2月下旬執筆、3月10日掲載

(熊本日日新聞夕刊「ヤング欄」で隔週連載されたコラムです)

 熊本のサブカルユニットが集合してにぎやかに楽しもう!!というイベントが3月20日に上通の「ライブベース・クルー」で行われる。

 主催するのはナント高校3年の女の子ジュリちゃん(卒業式終わったかな?…だったらおめでとう!)

 で、話を聞いてみると、かなり無鉄砲というか「大丈夫なんだろうかぁ」と心配しちゃいたくなるほどアバウトなスタイル。でもまぁそれがまた若さって言うか、逆にイイ感じになっていて、熊本にもまだまだこういうパワーが残っているんだなぁとちょっとホッとした次第。(しかも彼女はこのコラムの読者のようで、多少は扇動効果があったとしたら嬉しい限りじゃ)

 ところで私、ヤング欄を20年ほどウォッチングし続けているんだけれど、ここの特集コーナーに登場するお調子者の質が大幅に変わって来たような気がする。

 以前はと言うと、怪しげなバンド、怪しげな映画サークル、怪しげな劇団、怪しげなイベント主催者、完全に怪しいミニFM主宰者(私)など、熊本在住の怪しい若者の姿が毎回ここにその姿をさらしていたものだった。だが気がつけば、いつのまにかその数がめっきり減ってしまった。

 編集長殿の手抜きではないと思う。そういう怪しい活動をしている奴らが単純に減っているんだよ。

 オイラ達、80年代のヤング欄ファンは、このページで様々なインパクトに遭遇したし、多くのライバルを見つけることが出来た。今や伝説になってるらしいけど、ちゃんとした本にもなって県内ベストセラーに入ったくらいで、ともかく熊本のサブカルが面白くなった一時代をヤング欄と共に体感することが出来た。

 それを真似しろとは言わない。君達の時代には君達のやり方があっていい。

 ただ、言えることは、このページを傍観している君より、無鉄砲にイベントを開こうとしている彼女の方がずっとキラキラしていたぞということ。

 熊本に点在する打算的なインフラ。新しい文化の卵をバックアップできない大人達の愚鈍な姿勢。尚かつそれに対して抵抗する気力すら持ってない鯖目の若者達…。これら全てが熊本のパワーを自ら減衰させている最大の原因なのだと確信した上で、私はこのコラムを書かせて頂きました。

 さて、私の予定投球回数も終わりに近づいて参りました。次号はいよいよ最終回。最後にドカン!!と強烈なメッセージをぶつけます。

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