熊本市の景観条例との相反する告知の問題からファーストストライク

96年4月号「はり紙と都市美観」

 先日、衰退する熊本の観光を何とかしようという事で、いろんな偉い人が集まって立派な提案をまとめられた。まずはその提案をご紹介しよう。

 1.点在する観光地を結ぶ交通基盤を整備する。
 2.水俣湯の児温泉と出水市のツル見物のように隣県の観光資源とセットにしたイメージ戦略。
 3.ホテルや旅館の従業員のプロ意識の向上。
 4.インターネットで海外向けにPRしよう!

…以上4つが新聞で発表された提案の骨子である。これを読んで君はどう思うか?ちなみに私は情けなくてシュルシュル状態になってしまったよ。

TゴーマンかましてよかですかU(勝手にパクるなってか…)
「断言しよう!!」1.の案は財政的に見て短期間での実現は絶対に不可能。2.の案は湯の児と出水以外にそんなに適当な組合せがあるとは思えない。3.は言わなくても当り前の事…。4.はインターネットをかいかぶりすぎ。マルチメディアの実態を知らん人間の考えに近似している。…どうだ、偉い人が集まった公的な会合で出てくる提案がこれだぞ。情けなくならんか。浅野温子の亭主で熊本出身のコピーライターおやじが「だから熊本は駄目だ話にならん」と言ったのがよく分かるよ。「じゃあお前は対案があるのか」出たなお約束の苦し紛れの発言が…。当り前だ!あるに決まってるだろ。でもここじゃ言わないもんね。だって僕っちコンセプトプロデューサーだも〜ん。アイデアを売るのが商売ですっちゃ。タダでは口が裂けてもいわないのら。(う〜む、反感を買う文体だなあ)…ではヒントだけ本誌読者諸君にお教えしよう。簡単なことだよ。こういう偉い人達が考えたがらない事を考えて、それを整理していけば必ず隙間が見つかる。それが他と違う新たなコンセプトなのだ。頭の柔らかい若い世代が本来最も得意とする手法なんだけど、残念ながら熊本の若い奴は真似は得意だが隙間を見つけるのが実に下手クソである。そういうのを世の中では「頭が悪い」と言うのだよ。自立心があって自分が住んでるこの街をかき回してやろうという意気軒昂な若い奴はいないのか!いたら俺に喧嘩売って来い!(勘違いするな暴力ではないぞ。知恵の勝負だぞ)

 さて前置きが長くなりましたが(長すぎるぞ!)熊本でライブとか公演とかのチラシや貼り紙ってのはあまり見かけないね。電柱とかに貼るのは違法ではあるけど、それ以外の合法的な場所でも同様である。コミュニティボードっていう公的な掲示板も各地に設置してあるけど、貼ってあるのは大抵同じようなイベントや語学教室のポスターばかり。いちいち掲示許可を取りにいくのも面倒だし、縦A3サイズに限定されているのもクリエイティブではないね。

 ともかく熊本で何かをPRしようと思うとかなり面倒な思いをすることになる。これではサークルの人集めもままならないんじゃないかな。うちのfm-monday clubにしてもサークルだから(ちなみに1998年に法人化しました)求人案内に載せるわけにもいかず結構苦労しておるよ。まあそれだけではないだろうが、宣伝のしにくさが熊本の若い奴ら主体のムーブメントが発展しない一つの要因になっているのは間違いないだろう。都市の美観も大事だが、無秩序なスタイルの掲示板が一つや二つあったっていいような気がするんだが、どんなもんじゃろ。偉い人も考えてくれい。字数が足らないなあ。

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