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颯爽と現れた謎の特殊天才女子高生Mckee中野のテクノワールド

CORROBORATIONエッセイ集
〜フリーペーパーcorroborationで連載されたエッセイです〜

96年のバックナンバーがアップロードされています。

96年7月号

 ただいま、空前のクラブブーム!(泣)猫も杓子も関口宏も日経TRENDYも三丁目の宮田さんも口を開けば『ク・ラ・ブ』。
果たして・若者に大人気のクラブ・とは、いったい何なのか…。

『クラブの定義にならない定義』
・ある特定のジャンルの音楽(一般からはマニアックと思われるようなものが多い)をDJが選曲している。

・客層は10代後半〜20代後半が最も多い。美術系学生、服飾関係、美容師、レコード店店員などが主な職種。

・主に、夜9時頃から明朝まで行われるパーティをこう呼ぶ。

=証言随筆=
『書を捨てて、フロアへ出るのら』
『クラブ』と聞いて、「コワイ」「怪しい」「オシャレ?」と思ったそこのチミ!アナタの認識はちょっとばかりズレてます。因みに「お姉様が酒ついでくれる場」と思ったアナタは失格となります。

説明しよう!『クラブ』とは特定の音楽を媒体としたコミュニケーションの場であり、トリップ空間なのだ(18世紀ヨーロッパで、情報交換の場として存在していたサロンやカフェがクラブの源流であるという説もアル)。確かに、本当のイミでの『クラブ』に集まる連中って見た目からして怪しげなヒトは多いかもしんないケド。

 あたしがスキだった、とあるクラブ。そこはとってもPEACEFULな場だったのだ。地下に潜れば、おナカに響く低音。上質の音楽。どこかで見かけるミンナが、いつも在りのままに過ごし、思いのままに愉しむ。DJと客の間には、スノッブだとかプレゼンテーションなんてコトバは介在しえない。だからうさんクサイえせファッション誌のクラブ特集を見てると、呆れて笑いが止まらなくなってしまう。『浮かない為の踊り方、ノリ方十ケ条』、『(音楽)ジャンル別ファッション講座』etc…。その取り上げ方自体が『クラブ』の本質を理解できない証拠なんだな。そんなの、個人の勝手でしょーに。コンなトコロでまで、日本人の集団意識や異常なまでの協調性が押しだされるなんて思わなんだ。

(A子さん談)


96年8月号

 今、アニメ/マンガが世界中で熱い。存じないひとは大変ビビるだろうが、ロンドンやNYなんかのハイセンスなファッションピープルとかいうひと達の間じゃセーラームーンやけろけろけろっぴは『COOL』なモノとして認知されてるンだ。特にそういった“ジャパニメーション”との関連性を度々、指摘されるのが、何を隠そうテクノだったりする!

 オシャレ系(笑)には、大友克洋っていう漫画家のファンが多いってハナシはよく聞くけど、特にテクノリスナーの間では、彼の代表作『AKIRA』を信奉する人間がかなり多い。…というか、何故か、日本のテクノリスナーにはマンガやゲームがスキな奴が多いんだけど。それこそ、コミュニストにとっての『資本論』と例えても過言ではないくらい。

 テクノリスナーに超人気のストリートファッションブランド“アナーキックアジャストメント”からは『AKIRA』プリントのTシャツが多く発売されている。(因みに、ココは『メルモちゃん』プリントの女の子向けピタTもつくってた。デザイナーはアメリカ人なンだけどなぁ)

 また、『パワーレンジャー』や『ゴジラ』みたいな特撮ものや『バーチャファイター』や『ソニック』みたいなゲームものも大人気。

『Anime FX』というU.K.のアニメ雑誌があるんだけど、読んでると、フツーの日本人はまず知らないだろう、日本のアニメやマンガが大量に紹介されていたりもする。

…日本が開国したとき、それまでの慣習を“悪習”として断ち切ってしまい、今では“古き良きもの”の立場はすっかりなくなってしまい、日本人の存在意義すら問われるような結果に至ってしまっている。その代表例に“浮世絵”があったりするんだけど、そういえば、浮世絵/西洋画とジャパニメーション/アメコミってデフォルメとリアリティの観点からすれば、立場が似てなくもないか?

 ま、日本のアニメで民族の存在意義が問われるようなことはまずありえないけど。


96年9月号

 fmcが遂にインターネットに進出するそうで…。ははっ。ネットといえば、先日、テクノ系では有名な『Japan Edge』ってホームページを主催してるanyrizing terroristsのメンバーの一瀬氏にお会いしてきたのだ。

 一瀬氏は熊本出身なんだけど、今は福岡の九工大(飯塚市)に在学されてて、そこのサーヴァーを使ってホームページを運営してるというワケ。

 その『Japan Edge』、飯塚なんて田舎から東京の・自称オシャレピーポー・をも激震させるよーなサイトを数年も前からつくっていたんス。一瀬氏は「俺の高校の時もフライヤーとかフリーペーパーってなかった」と言われてた。

 テクノの基本精神は・その場で、そこに在るもので、やりたいことを自分でやる・といったものなんだけど、要は地方分権のススんだカタチとでもいえるかな?

 やっぱり、まだまだ日本ではテクノも東京に集中しがちなんだけど、地方でも根ざしたものをつくろうとしているひとたちが数多くいるのは、間違いない。イギリスなんて、コーンウォールなんて田舎中の田舎なところから世界的なテクノアーティストが出現しちゃったりしてるのら。

…で、今回、私が何を言わんやとしているかっちゅーと、『地方だろうがなんだろうが、やろうと思えばやれる』ってコトなんね。コレってfmcのコンセプトもアリやね。まあ、間違いなく、まず需要の点でけつまづくのは覚悟した方がイイけど、要はそのひとのやり方とかなのねん。ゆけ!若人よ!(なんか自衛隊みたいだ…)


96年10月号

其の四『とりあえず、"今"な気分で』
 ハーイ!テクノヘッヅのみなさん、元気?それ以外のひとも元気?
 夏休みは死ぬ寸前まで遊べた?実は私、8月10日〜11日に富士山の裾野で行われた『rainbow2000』っていうテクノイベントに行ってきたんス(NHKで観たひともいるかと思う)。コレが、夕方から翌朝まで遊園地を貸しきって、約2万人ものひとを集めてしまった、ちょースゴなイベント!!!8月29日に行われた『NATURAL HIGH!!'96』も"日本版グラストンベリー"って感じで注目されたけど、場所がお台場だもの…。うーん。やっぱり、四方は緑ィーッ!!!、見上げれば、星一面!そして、流れ星ーッ!!!には負けるわな。
 そうそう、某番組で、近田春夫氏(ビブラストーン)が「これって、"今"のウッドストックだよね。限りなく近いよね」をしきりに連発してたのが、このイベントの性格をよく表わしていると思う。幼児から老年夫婦、そして犬(!)までを集め、客層の中心を占めたのが10〜20代の"今"を皮膚感覚で察知できる年齢層ってのも。そうだ『テクノ』って、たまらなく"今"の音(今のテクノは80年代後半のハウスが源流っちゅーが…。ま、気にするな)「メッセージのない音楽なんて…」と煙たい目で見るひともいるけど、それが元で、ブラックもホワイトもイエローもゲイもヘテロも一緒に踊れる環境が生まれたのだ。欧米のものは、確かにドラッグ(MDMA)があってこそだったかもしれないが、日本に根付きつつあるものはナチュラルがキホン。…もう「ハヤリだから」なんて言ってられないのら。ね?


96年11月号

テクノは本質的に不良の音楽なんだ (野田努)
さんせーい・ボクチン、表現者なんてなりたくなーい。

 今まで、『テクノとそれに関わる他文化(?)』について、ちまちまと書いてきやしたが、今回はその深部にせまろうと思います!!

Q「何故、テクノなのか?そこまでハマるのか?」
A「だって、楽しいんだもーん・」

 なんか、難しい答えを期待してたみなさん、サヨウナラ。私の頭の中なんて、どうせこんなもんです。ただ、振り返れば、そこに音楽があった。それがテクノだった。世紀末消費大国現代日本に生まれ育ったアングラかぶれのチビっこの思想なんてそんなもんっす。…ま、そりゃイイんだけど、最近、このテクノとやらを"使えるネタ"と思い始めたメディアが、テクノに榜わる若者を"脆弱で純粋な表現者"なんて使い古したカテゴライズでくくり始めてる。冗談じゃない。ボクらは、テクノにヤワな理想主義を持ちこもうなんて考えてない。彼らが思う程、ボクらは表現にストイックさを求めていない。それらの馬鹿馬鹿しい誤解が好意的なものなら、まだ許せる余地はあるけど、どうも、それは狙いすまされたもののようだ。

 彼等は、テクノやノイズを"90年代サブカルチャー"のキーワードにしたいらしい(笑)。←どうして、ハウスやパンクじゃダメなんでしょうね(苦笑)。それは自由だが、そのせいで、ボクらの"おもちゃとひみつきち"は"繊細な若者の表現手段"にされてしまう。

 テクノがハヤるのは結構なことだけど、それがなんだか、80年代バンドブームと同じ色を発し始めてるのは気のせい?!(DJブームなんていい例だ!)


WHO IS Mckee?
通称「KUMAMOTOのテクノ裏番長」…全国に点在する同志と共に、テクノ推進運動を展開するパンクな女子高生。紅茶と香取慎吾とTVゲームをこよなく愛する18才(当時)。
fm-monday clubの音楽プログラムQMBの初代DJ。中でも「特殊地下音楽コーナー」は異質でCOOLだった。ParaT大師匠と互角に文化論を闘わせるきわどさが素敵!!

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all right reserved"fm-monday club"kumamoto.japan.1999